マクロビ講師の母ちゃんによるシンプルなくらしとこそだて

鉄のフライパンとのくらしかた/育てかた

柳宗理の鉄のフライパン


私が鉄のフライパンとくらしはじめて、15年が経ちました。

最初に手に入れた小さな鉄のフライパンは、随分育って、ちょっとやそっとじゃ焦げつかない子になりました。長く使える道具は、少しずつ少しずつ育っていって、私だけのものになっていきます。汚れだって、欠けだって、可愛く思えて、愛おしい。

でもやっぱり、長い間くらしつづけて、可愛く思えるのは、手がかかるからこそ。

こどもと一緒!ですね。笑 

ちょっとした手間をかけ続けて、毎日のように使い続けて、触れ続けてきたからこそ、可愛く思えるのが、長く使える道具の特徴なのかもしれません。

鉄の道具は、目を離すと、すぐに錆(さび)ます。だから、手をかけてあげる

鉄の道具は、手をかけてやらないと、すぐにすねてしまうんです。

しかし、よっぽどのことがない限り、関係を修復し、元に戻すことができるのも、鉄の素晴らしく・独特の特徴です。

どんなに表面が変質したようにみえても、削ったり、焼き直すことで、元の姿に戻すことができるから、錆びてしまっても、素直に反省して、また関係を修復できる。だから、いつまでもいつまでも一緒にいつづけられる道具です。

まだ鉄の道具に触れたことのない方も、怖がることなく、くらしに取り入れてみてください。

気をつけることは、たったこれだけ。

①初めてのときは、いくつかの儀式をする。ご機嫌を損ねたときも、この儀式を。
②しっかりと熱して、薄煙があがってから油を入れる。
③使い終わったらすぐに洗剤を使わずに洗い、水気は残さない。
④しまいこまずに、頻繁に使ってあげる。

たった4つのことだけですから、初めての方でも、難しくありません。

また、ついご機嫌を損ねてしまったときも、繰り返すことで、元に戻すことができますので、気軽に失敗できます。ご安心を。

では、実際に気をつけることについて、詳しくみてみましょう。

①初めてのときは、いくつかの儀式をする。ご機嫌を損ねたときも、この儀式を。

鉄の道具を初めて使うときは、こんな儀式をします。薄煙があがりますので、換気扇を回してから始めてくださいね。

1.スポンジでしっかりと洗ったら、強火にしたコンロにフライパンを載せ、空焚きをして、表面の皮膜を焼き切ります。

2.そのまま様子を窺っていると、だんだんとコンロの形がフライパンに浮き上がり、色が変わってきます。少しずつフライパンの位置をずらして、フライパンの縁までしっかり色が変わるまで熱します。

3.全体の色が、変化したら空焚き終了。

しっかり熱したら、油とくず野菜を入れる。

1.今度は弱火にして、たっぷりの油とくず野菜を入れ、炒めます。

※油は揚げ物などに使ったくず油で大丈夫。たっぷりと入れてフライパンに馴染ませてあげます。

※くず野菜はねぎやしょうが、セロリなどの香りの強い野菜だと、鉄のアクが抜けやすいです。

2.くず野菜やキッチンペーパーを、菜箸でつまんで、フライパンの縁まで油を馴染ませます。

3.10分くらい炒めたら、くず野菜を捨て、油をキッチンペーパーで拭き取ります。

4.初回はそのまましまい、次回は残った油をしっかり洗ってから使います。

これで最初の儀式は完了!

残りの3つは、フライパンを育てるためのコツ。

②しっかりと熱して、薄煙があがってから油を入れる。

鉄のフライパンは温度が低いと、素材がくっつきやすいので、必ず最初はしっかりと中火で熱して。

薄煙があがるまで熱したら、油を入れます。

特に最初の頃は、フライパンに油が馴染んでいないので、多めの油を使う料理をした方がベター!

③使い終わったらすぐに洗剤を使わずに洗い、水気は残さない。

料理が終わったら、早めに皿などに移し、フライパンをすぐに洗います。

フライパンに入れたままにすると、金属臭が移ったり、食材の水分や塩分でフライパンが錆びる原因にもなります。(※特に、トマトを使った料理は、フライパンが酸化して変色するので注意!!)

洗い方は、熱い内にぬるま湯で、タワシを使ってゴシゴシと。

タワシでこするだけで、たいていの油汚れや焦げは落ちます。

しばらく水を入れて置いておくか、水を入れたまま火にかけて沸騰させると、こびりついてとれなかったものもはがれてきます。

水気は余熱で残さず乾かす。

洗い終わったら、すぐに火にかけて水気を飛ばし、水気は残さないようにします。

しっかりと水気がなくなるまで火にかけていると煙たくなるので、パチパチという音が聞こえてきたら止める、で私は止めてます。余熱でだいたい大丈夫。それでも水気が残っていたら、もう少し火にかけたり、キッチンペーパーなどで拭いてください。

④しまいこまずに、頻繁に使ってあげる。

鉄のフライパンは、とにかく頻繁に使ってあげればご機嫌です。

私はコンロ上のレンジフードに引っ掛けて、毎日使っています。一番使いやすいし、常に目に止まるから忘れない。

さぁ、何で料理しようかなと思ったときに、ついつい手が伸びるので、鉄のフライパンもきっと喜んでいるはず。

しまいこむと、錆びることも。

湿気のあるところに置きっぱなしにしていたり、しまい込むと錆びることもあります。

長期間使わないときは、全体に薄く油をぬってから新聞紙に包んで。酸化防止に新聞紙は大活躍します。

それでもサビてしまったときは、金たわしや紙ヤスリでこすり落とすしかありません。

でも、全てを落として最初の儀式(油を馴染ませるだけでOK)をすれば、元通り。またゆっくりと時間をかけて、育てていきましょう。

何かあっても、また繰り返せば、元に戻るのが鉄のフライパンのいいところ。

慣れるまでは少し大変かもしれませんが、だんだんと自分に寄り添って育つ鉄のフライパンを見ていると、これほどに愛おしいものはないと感じられるでしょう。

私も同じフライパンをサイズ違いでふたつ持っています。

小さいフライパンは、15年のお付き合い。
大きいフライパンは、まだ1年ちょっと。

ふたつの表情の違いをこれからも楽しみ続けていきたいと思います。

——

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