母ちゃん
洗い米を2年ほど実践しているんですが、洗い米をすぐに炊くよりも、冷蔵庫に保存してから炊く方が実は美味しい・・・ということに最近気が付いてしまいました。
夏は冷蔵庫保管後に炊くと特に美味しいのですが、その理由を調べてみたら、大きな違いはお米の浸水時の温度でした。
目次
【洗い米】洗った米を冷蔵庫で保存して炊くのは、夏に美味しいご飯を食べるための最強のレシピ
夏のご飯って古米なので美味しくないと思っていませんか?
あるいは、新米だから美味しくて当然だとも思っていませんか?
夏のご飯をもっと美味しくするコツがあるんです。
それが、洗い米(洗った米)の水を切ってポリ袋に入れた状態で、冷蔵庫に保存してから炊く方法です。
洗い米とは?
そもそも洗い米って知っていますか?
料理研究家の土井善晴さんが提唱する「ご飯の美味しい炊き方」で、洗った米をザルにあげ、吸水と水切りを40分ほどかけて行うというレシピです。
洗い米について
お米は乾物だから、洗ってザルに上げ40分ほど置いて、吸水と水切り(これが洗い米)。 すぐに炊かない時はポリ袋に入れて冷蔵庫で保管可。水加減後すぐに火を入れる。確実に米のおいしさを引き出せます。 pic.twitter.com/IVjYzs7SeQ— 土井善晴 (@doiyoshiharu) 2014年8月13日
基本のレシピとしては、洗った米をザルで水切りし、そのまま放置するというものですが、忙しくて40分も待てない現代人の私たちのために、前日に洗った米をポリ袋に入れて、翌朝に炊くというレシピも紹介されています。
土井善晴さんの洗い米についてもっと知りたいという方は、こちらの本が詳しいです。
日本のお米、日本のご飯 The Japanese Rice Cooking Book (講談社のお料理BOOK)
土井善晴さんの洗い米と、それ以外の洗い米の違いは?
洗い米でgoogle検索をすると、水に浸けて浸水する方法も書かれていますが、その方法は土井善晴さんの提唱する洗い米とは異なる方法です。
あくまでもザルにあげた状態で浸水と水切りをする、あるいは、水を切ったらポリ袋に入れて冷蔵庫保存するのが、土井善晴さんの洗い米です。
私の書いた古い記事も検索で上位に出てくるので、よかったら併せて読んでみてください。

洗い米を冷蔵庫に保存するコツは?
洗い米を冷蔵庫に保存するコツは、洗った後にカッと水を切ったら、すぐにポリ袋に入れて、口をしめて、冷蔵庫に入れることです。
できるだけたくさんの水を、じっくりと冷蔵庫の中で吸水させたいので、洗った米を乾燥させないように気をつけます。
かといって、下の方にだけ水が溜まってべちゃべちゃのお米になってしまうことも避けたいので、ザルを傾けてしっかりと水は切ります。
洗い米を冷蔵庫で保存するときの保存容器は?タッパーでもいい?
上記のレシピでも、洗い米をポリ袋に入れると書いている通り、洗い米を保存するときには、タッパーよりもポリ袋(キッチン袋などの薄いものがベター)を使う方が良いです。
理由は、空気に米が触れず、乾燥や酸化をしにくいからです。
米の量にぴったりのタッパーがあるならば、タッパーに入れるのもありかもしれませんが、冷蔵庫で保存している間に、吸水された洗い米の体積は徐々に増えてきます。
洗い米がのびのびと吸水して、ふっくらとふくらめない可能性を考えると、やはりタッパーよりもポリ袋が良いでしょう。
また、ジップロックなども空気をしっかりと抜ける点ではいいですが、平べったくして保管するよりも、ある程度塊にして冷蔵庫に入れた方が乾燥がしにくいので、形状に気をつけて入れてくださいね。
洗い米を冷蔵庫で保存してから炊くと美味しく炊ける理由は?
どの季節であっても洗い米は美味しく炊けるのですが、夏に限っては、洗い米を冷蔵庫に保管してから炊く方が、圧倒的に美味しくご飯を炊くことができます。
その理由は明確で、米が水を浸水(吸水)するときの温度が、冷蔵庫内だと低く保つことができるからなんです。
お米の浸水時の温度と、美味しさの関係とは?
お米の浸水時間は、温度によって異なります。
温度が高い方が早く浸水できますし、低い方が浸水には時間がかかります。
そのため、夏は浸水時間を短く、冬は長くしましょうと言われています。
しかし、米を吸水した米の構造をミクロレベルで調べてみると、温度が低い時の方が時間はかかりますが、隅々まで水が行き渡ってるんです!!!!!!
目には見えないようなミクロレベルの差ではありますが、米全体に隙間なく水が行き渡っていると、ふっくらとしたご飯を炊くことができます。
フードサイエンスラボラトリー大阪ガス
最適なお米の浸水温度は?
温度が低い方が隅々まで時間をかけて水が浸透するとはいいましたが、低ければ低いほどいいわけでもありません。
一般的には、15度の水で浸水させるのが一番美味しく炊ける温度だと言われていますが、それもそのはず!15度で浸水したときが一番吸水率が高いのです。
50度洗いで有名な、平山一政さんも『50℃洗い 人も野菜も若返る』の中で、15度でご飯を炊くことを推奨しています。
東京の夏の水道水は25度以上!
とはいえ、夏は水道からでる水の温度が25度以上になる地域が多いので、5度以下の冷たい水で米を洗うのはなかなか難しいですよね。
東京だと、夏場は最低でも25度、最高では30度近くになります!
参考:東京都水道局
母ちゃん

試しに測ってみましたが、やはり25度以上でした・・・
東京に至っては春と秋も水道水の平均気温は15度以上です。冬も室内は暖かいことが多いので、水に浸けて浸水させるよりも、どの季節であっても洗い米を冷蔵庫で保管することをおすすめします。
冷蔵庫では寒すぎない?
15度の水で浸水させるのがベストなのに、庫内が5度前後の冷蔵庫で保存するのは寒すぎるのでは?とは思いませんか?
私もはじめは同じことを考えたのですが、冷蔵庫に入れたからといって、すぐに食材が5度になるわけではないんです。
冷蔵庫内の温度は、夏は扉を開けただけですぐに上がります。
1分間開けていたら10度、2分間だと15度近く上がります。
例えば、その状態の冷蔵庫に室温で20度にあがった卵を入れると、45分経っても卵は15度にもなっていません。
冷蔵庫の扉の開け閉めを気をつけて、庫内の温度を低く保てたとしても、冷蔵庫に入れた食材の温度が5度にまで下がるには大分時間がかかりそうなことはわかりますよね。
ポリ袋に入れた洗い米を冷蔵庫に入れると、15度になるまでには2時間近くかかるはずです。
夏は気をつけよう! 食品と冷蔵庫内の温度変化FCOOP
夏は冷蔵庫で吸水させながら保存しよう
繰り返しになりますが、いつの季節も洗い米の冷蔵庫保存がお米をふっくら炊くためには最強のレシピです。中でも、水道水の温度が特に高い夏の季節は、絶対に洗い米を冷蔵庫に入れた状態で浸水させましょう。
浸水時間は、冷蔵庫で2時間以上。
それ以下だと、吸水できる量が少なめになる可能性があります。
せっかくなので、2時間以上かけてふっくら吸水させてあげてください。
前の晩に洗って、一晩保存したものを朝に炊くというプロセスを私はよくやっていますよ!
洗い米は、笊に上げてそのままにしていると、乾燥して割れ米になります。ポリ袋で必ず冷蔵庫。 ( 夏30分冬50分が目安)
保たせることが目的ではありませんが、
2日くらいは大丈夫です。 「きれいな水」で水加減したら「すぐに炊く」が、大事です。
ちなみに雑穀を混ぜてもやり方は同じ。— 土井善晴 (@doiyoshiharu) 2014年8月15日
土井さんも冷蔵庫ならば2日程度は保存できるとおっしゃっているので、夏であれば1日程度、それ以外の季節は2日を目安に保存しても大丈夫かと思います。
洗い米を美味しく炊くコツは?
洗い米を美味しく炊く一番のコツは、「きれいな冷たい水」で水加減したら「すぐに炊く」ことです。
炊飯時の温度差変化が大きければ大きいほど、美味しいご飯が炊けるともいわれています。
冷たい水が用意できない場合は常温の水道水で構いませんが、できるだけ米の温度が上昇しないように、水を加えたら浸水時間などは取らずに、すぐに炊きましょう。
冷たい水は、必要な量を冷蔵庫でピッチャーなどに保管しておくと簡単です。
洗い米を炊飯器で炊く
炊飯器のタイマーで洗い米を炊くのは残念ながらおすすめできません。
タイマーで炊くためには米を水に浸けた状態で放置しなければならず、美味しく炊くコツに反してしまうからです。米の温度も上がってしまいます。
洗い米を冷蔵庫から出したら、すぐに水と一緒に炊飯器に入れ、すぐに「炊飯」をスタートさせましょう。
これで美味しいご飯を炊くことができます!
時間がないときは、早炊きモードでも大丈夫です。
※土鍋の炊飯器で炊くという選択肢もあります。

洗い米を土鍋で炊く
土鍋で炊くときも、水を加えたあとの放置は禁物!
洗い米を冷蔵庫から出したら、すぐに水と一緒に土鍋に入れ、すぐに「加熱」をはじめましょう。
私が多数の土鍋を使ってみた結果、一番使いやすいと感じた土鍋は「かまどさん」と「マスタークック」の2つです。
かまどさんは土鍋ならではのザラザラ感も含めて好きなのですが、マスタークックに比べると扱いが若干面倒です。
というのも、マスタークックの一番の利点は、底に穴が空いていないこと。底に穴が空いていないと洗ってすぐに火にかけられるので、土鍋が普通の鍋のように頻繁に活躍できるんです。
日常的に土鍋を使っていると、この小さな違いが大きな違いになってきます。
忙しい人こそ、洗い米を土鍋で炊いて美味しく食べよう♪
私は1人暮らしを始めた頃から土鍋炊きご飯をスタートさせました。子どもがお腹をすかせたときに、サッと温かいご飯を出したいので、保温ジャー代わりに炊飯器も併用していますが、炊くのはいつも土鍋です。
その理由は、シンプルに土鍋の方が美味しく炊けるから。
洗い米なら、ご飯を炊きたいときに冷蔵庫からポリ袋をサッと出して、水加減して、20分ほどで炊き上げることができます。
忙しい朝でも、ほとんど手がかからないので、慣れてくると全く手間に感じません。
洗い米の詳しい炊き方は、こちらの記事にも書きました。併せてどうぞ。
